奥多摩湖ロープウエイ/三頭山口駅(みとうさんぐち)
昭和36年から数年間営業していた奥多摩湖ロープウエイは湖の西端近くを南北に横切っていました。
北岸側が青梅街道端にある川野駅。南岸側が奥多摩周遊道路脇の三頭山口駅です。
左の写真は三頭山口駅のプラットフォーム。
多くの観光客を楽しませたゴンドラは、風雨に晒されながら、建設や運営に携わった人々の昔日の思いをだけを乗せて、40年以上もこの場に佇んでいます。

右は入り口ホールの壁に掛けらているプレート。写真は川野駅のものですが、三頭山口駅にも同じ物が掲げられています。

奥多摩周遊道路のゲートから料金所を抜けて50メーター程先の左手湖側に駐車場があります。この駐車場にロープウエイのワイヤーを懸下する鉄塔が建っています。
湖を渡って架設されたワイヤーは鉄塔を経て道路を横切り崖上の茂みの中に没しています。駐車場の端に立って見上げると、ケーブルの延長上の木立の狭間にプラットホームの天井とオレンジ色のゴンドラが確認できます。
道路に沿った石段を登り、草木に埋もれた斜面を這い上がると目の前に駅舎があります。
5分とかかりませんが、滑りやすいので注意してください。
川野駅と同じく、無線には適さない場所です。
ここに紹介した土地及び建造物には機器装置備品を含め所有者がいます。
川野駅**謎解きの詳細**移動地案内に戻る
保守や運営の効率を考慮してでしょう、主立った装置や機能は便の良い川野駅に集中しています。
三頭山口駅の構内はスカスカです。機械室内には滑車とロープ(ワイヤ)しかありません。
その中で目を引くのが写真の滑車です。
通されているロープ(ワイヤ)が平衡索であることは、太さからみて明らかです。
この滑車は、ゴンドラの頂部で支索を受ける受索輪と基本的な仕組みは同じようにみえます。しかし、外界に晒されている受索輪と違って駅の機械室にあり、受けているのは支索ではなく平衡索、また、ブル下げているのはゴンドラではなく、コンクリート製の重りです。
この装置についてネットで調べたところ、「平衡索重錘」と呼ばれる重量数トンの重りを以て、ゴンドラの動きを円滑にする役割を担うものであることがわかりました。
なお、受索輪が二つあるのは、平衡索が二本だからです。
注−二枚の写真は同じ被写体を別角度から写したものです。受索輪が四つあるわけではありません。
上の写真は、支索の末端処理の設備です。
対岸の川野駅側では重錘を下げて浮かせてありますので、この三頭山口駅側は固定です。
鉄骨製支柱に通したスリーブで支索を受け、「糸巻きのお化け」に括り付けてあります。
三頭山口駅舎屋上から川野駅方向を望む。
右の図は、残っている装置や構造物等から推察される営業当時の概容です。
筆者は循環式のロープウエイには乗ったことがありますが、交走式に乗ったことはありません。
運行の様子を見たことすらありません。
このページと「川野駅のページ」の内容は、「平衡索重錘」に関する記述を除いて、残された器機装置、構造物、入り口ホールに掲げられたプレートなどを元にした、筆者の推測です。
奥多摩湖ロープウエイの営業は昭和36年から43年頃に掛けての数年間だったようです。
従業員だった方の談話をいくつか紹介しておきます。
これは郷土研究会の会報に掲載された談話です。筆者自身が同誌を読んだのではなく、会員からの又聞きです。
- 開業当初は乗り切れないほどお客さんが来た。当時はマイカーなどなく、殆どがバス。スゴイ台数だった。
- 始業点検でゴンドラの屋根に乗って一往復。支策や受策輪の点検をする。怖かったー!
- 当直は両駅に一人ずつ。三頭山駅の泊まりは気味が悪かった。
真夜中に登山者が迷い込むなどといったこともあった。
- 冬の夜にダムの水が引くと厚く張った岸辺の氷が割れて大きな音を発てた。
川野駅**謎解きの詳細**移動地案内に戻る